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Interop Tokyo 2007 レポート「IPv4枯渇に備えて」前村氏、村井氏、ヒューストン氏が議論

By aoyama
作成日時 2007-06-30 22:37
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 Interop Tokyo 2007の2日目には、「緊急課題:IPv4アドレス枯渇へのガバナンス」と題してJPNICの前村昌紀氏、慶應義塾大学教授の村井純氏、APNICチーフサイエンティストのジェフ・ヒューストン氏の3人が、IPv4の枯渇に対する考え方と、それを乗り越えるための世界的なガバナンスについて議論した。

最新の枯渇予測日は「2009年12月18日」


 冒頭ではジェフ・ヒューストン氏からあらためてIPv4枯渇について解説がされた。すでにあちらこちらで伝えられているが、IANAが持っている/8ブロックの在庫状況、世界におけるIPアドレスの広告状況、ARINなどRIRのIPアドレス払い出し状況などをほぼリアルタイムで集計し、統計的に処理することでIPアドレスの消費速度を求め、そこからIANAのアドレスブロックプールがゼロになる日を算出している。

 最新の情報はヒューストン氏のウェブサイト(http://ipv4.potaroo.net [1])で参照できるが、カンファレンスの時点での予測枯渇日は2009年12月18日だという。ただし、この日付には「パニックが起きない場合」との留保が付く。IPv4アドレスの消費量は漸増し続けているが、枯渇が広まることで駆け込み需要が増加し、予測日は必ず前倒しになると、ヒューストン氏は強調した。

 IPv4アドレスが底をついた瞬間、インターネットになにかが起きるわけではない。v4を持っていれば、通常通りインターネットに接続できる。ただし、ネットワークを拡張したり、サーバーを新設したりするなど、あらたにIPv4アドレスを取得しようとしても、できない。
 ヒューストン氏は、IPv4アドレス枯渇に対するオプションはいくつかあると言う。より一層のNATの導入、保持しているIPv4アドレスに対して課金を行なう、などのIPv4アドレスの効率的な利用を目指す方法や、IPv6の導入による抜本的な解決だ。だが、現時点ではどの方法も問題があるという。

IPv6を使って貰うためには?


 村井氏は、ヒューストン氏の話を受けて「今の話は本当です。ずっと前から言っていたし、そのために準備もしていた」と語った。そのためにIPv6を作り、OSやルータへの実装を推進してくるなど、技術的な問題を解決するということは熱心にやってきたという。「一番簡単なのはバージョン6を使うこと」。

 しかし、やはり問題はバージョン6が使われるのかどうか。「じゃ使ってもらうにはどうやったらいいか?」

 1つの提案として村井氏は、フリービットが開発したIPv6対応インスタントメッセンジャーを紹介する。このメッセンジャーはIPv6スタックを内蔵しており、IPv4ネットワーク上でIPv6のオーバーレイネットワークを構成して通信を行なう。

 これとは逆の発想で、今後のネットワークベンダーはすべてIPv6専用でデバイスを開発し、IPv4はソフトウェアによるオーバーレイネットワークで解決するということを推進するような、ベンダーがIPv6専用ハードを開発しやすい環境を作るということもありうるのでは、と村井氏は話した。

 IPv6への移行を考えたとき、見逃せないのはIPv4のライフタイムの問題だ。村井氏は、IPv6で新しいネット、新しいサービスができたとき、NATで囲まれたIPv4を活かす共通の知恵が必要だ」といい、ヒューストン氏も「フォートランがまだ動いているように、かなり長い時期残ります」と、IPv4の撤廃が近い将来においては不可能であるとの認識を示した。

日本は決して進んでいない


 そして、気になる各国のIPv6への移行状況についても議論は及んだ。村井氏は「今から何をアクションするしても人がいる。そのための教育もしてきたつもり。ISPやいろんな人にできるだけ経験を得られるようにチャンスを作ってきた」とこれまでの活動を強調。

 一方、ヒューストン氏は「日本の状況はアメリカヨーロッパと同じに見え」「バージョン6に関してはどの地域もまだ真剣に取り組んでいません」と語った。その理由として、IPv4はこれまで約10年をかけてルーティングのスキルを磨いてきたが、IPv6に関してはそれだけの蓄積がないことを指摘。具体的な例として、現在のIPv4のルーティングテーブルには22万6千エントリの登録があるのに対してIPv6は856エントリしかないというて点を挙げた。

 これらを持ってヒューストン氏は「準備ができていないというのは世界共通で、本当に問題は大きいと思う。日本はヨーロッパよりはましだが、世界的にまだ低いレベル」だと強調した。

「IPv4アドレス割り振り停止日」の設定について

 村井氏から、JPNICが第23回APNICミーティングで提案したIPv4デッドラインデイの設定 [2]について、「デッドラインを決めないとみんな動かないのでは」とヒューストン氏に意見を求めた。

 これに対してヒューストン氏は、個人的な意見と前置きした上で、現時点ですでに2年先に枯渇予測日が迫っていることから「期限があるからと行って助けになるというわけではない」と述べた。さらに、IPアドレス分配の不公正にも触れ、技術的にもコスト的にもハードルの高いIPv6しか開発途上国に残されなくなってしまう危惧をアピールした。

 そして前村氏からの、これを解決する具体的な手段についての質問に対して「バージョン4をさんざん使ってきた人たちが皆バージョン6に移行することを認めれば問題はなくなります」と答え、すべてのユーザーがIPv6へと移行することが最終的な解決であるとした。

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