IPv6 Summit in China 2005レポート 前編 IPv6への注力を改めて印象付けた中国政府

IPv6 Summit in China 2005レポート 前編 IPv6への注力を改めて印象付けた中国政府

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 2005年4月4〜6日に開催されたIPv6 Summit in China 2005では、次世代ネットワーキング実現のためのIPv6実装に向けた中国政府の取り組みに関し、来場者に改めて強い印象を与えた。前編では、キーノートスピーカーたちのメッセージをまとめた。
 中国政府は、CNGI (China Next Generation Internet)と呼ばれるプロジェクトを通じて、全国規模の次世代ネットワークインフラを構築中であることが知られている。これには事実上主要官庁のすべてが参加しているほか、教育機関、通信関連企業が協力している。
 中国工程院副院長で、CNGI専門家委員会議長のWu Hequan氏は、CNGIプロジェクトの最終的な目的が、QoSや管理機能を備えた次世代ネットワークの構築にあることを、改めて強調した。同氏は、通信インフラの価値は、最終的には実現されるアプリケーションやビジネスにあると話した。

開会の挨拶をする主催者、BII GroupのCEO、Liu Dong氏
開会の挨拶をする主催者、BII GroupのCEO、Liu Dong氏

 この一環として、中国の科学技術ネットワーク、China Education and Research Network (CERNET)のIPv6版であるCERNET2が、昨年末に立ち上がったことが発表されている。CERNET2は20の主要都市を、最大2.5Gbpsで接続している。
 清華大学教授でCERNET2の責任者であるWu Jianping氏は、NGNには大きなアドレス空間と広い帯域、拡張性、信頼性、エンドツーエンドのQoSが求められると話したIPsecはNGN上での通信セキュリティ確保の鍵となるという。Wu氏は、CNGIに必要なネットワークのすべては2005年中頃に準備が完了し、2006〜2010年のアプリケーションやサービスに重点を置いた次の段階へ進む予定であることを説明した。


政府による推進の必要性

 東京大学教授でIPv6普及・高度化推進協議会専務理事の江崎浩氏は、日本においてIPv6はすでにビジネスの段階に入っていると話した。IPv6は今後も、従来はIPを利用していなかったさまざまな産業分野に浸透していき、安価で柔軟な統合的通信プラットフォームを形成していくとしている。
 国際的なIPv6推進団体、IPv6フォーラムのプレジデントであるLatif Ladid氏は、IPv6を支持する人々の広がりが世界に影響を与えつつあるが、IPv6の成功には、各国政府による政治的な意思が必要だと語った。
 欧州の政治的意思に関しては、欧州委員会のDG INFSOディレクター、Ulf Dahlsten氏が、欧州では各種の研究開発活動やGEANT2などの大規模な検証ネットワークで成功を収めてきたと話した。欧州ではさらに、普及活動や政策関連の活動、調達といった段階に進んでいくという。Euro Defence AgencyもIPv6対応を計画に入れていると、同氏は話した。
 ただし、IPv6を導入することがすべての問題を解決するわけではない。ジュニパー・ネットワークスの上席ネットワークアーキテクトであるJeff Doyle氏は、IPv6では新しいエンドツーエンドのセキュリティモデルが必要になると話した。ファイアウォールはセキュリティマネージャに変化していくことになる。ルータにおける高速なパケットフィルタリングのためには、ハードウェアによるパケット処理が求められるが、IPv6では拡張ヘッダの存在が、ハードウェアによるTCPポートベースのフィルタリングの障害になることを指摘した。また、現在のIPv4におけるマルチホーミングで引き起こされている問題を回避するため、IPv6では適切なマルチホーミングの手法を開発する必要があると話した。
 ITUのTSBディレクター、Zhao Houlin氏は、IPv6のアドレス空間が無限ではないことについて警鐘を鳴らした。同氏は、IPv6アドレスが現在のフレームワークのままで、早いもの勝ちで割り当てられていけば、IPv6後進国は大きな不利を被るだろう、と話した。
 今後のIPv6推進について、IPv6フォーラムのCTOであり北米IPv6タスクフォースの議長であるJim Bound氏は、ネットセントリック(ネット中心主義)な考え方に力を入れるよう訴えた。同氏によると、NGNでは分散的なアクセスネットワーク、ネットワークモビリティ、そしてネットワークの仮想化が求められる。Bound氏は、IPv6推進者がNGNのビジネスおよび技術面での必要条件を定義し、これを満たすべく各種のコンソーシアムや団体と協力するべきであると話した。

Global IPv6 Summit in China 2005
http://www.ipv6.net.cn/summit/2005/index_en.jsp

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