2005年2月23〜24日に、京都でAsia Pacific IPv6 Summitが開催された。これはアジア太平洋地域のインターネット運用全般について話し合う会議、APRICOTの一環として行われたもの。日本やアジア各国のIPv6に関する現状や計画が話された。
4月にかけてロゴプログラムのPhase-2が順次スタート
このサミットではまず、全般的なIPv6関連テーマとして、DNSサーバのIPv6化やIETFにおける標準化動向などが報告された。
.JPドメインのDNSサーバのIPv6化状況について、日本レジストリサービス(JPRS)の堀田博文氏は、AAAAレコードの登録が2000年3月より可能となっているほか、現在までに6の.JPネームサーバのうち4がIPv6トランスポートへの対応を終えていると話した。また、2004年7月には、Rootゾーンへの.JP NSホストのAAAAレコード登録を終えている。
IPv6 Ready Logoプログラムは、Phase-2の開始がちょうど正式発表された。TAHIプロジェクトリーダーの宮田宏氏によると、コアプロトコルの仕様適合性テストと相互接続性検証シナリオの仕様が決まり、IPsecの仕様適合性検証テスト仕様は作業終了し、相互接続性検証シナリオについてはパブリックレビューが行われている。Mobile IPv6についてはパブリックレビューが終了し、相互検証性検証シナリオはパブリックレビューの準備中で、MLDv1については仕様適合性検証テストの作業が終了し、相互接続性検証シナリオについては作業中などとなっている。移行技術については具体的技術について評価が定まらないことから、ロゴは与えられないことになったという。結果として、Phase-2の具体的な開始時期は、コアプロトコルについては2005年2月、IPsecは3月、Mobile IPv6は4月が予定されている。宮田氏は、Phase-2の相互接続性検証テストはPhase-1に比べてかなり時間がかかることについて、注意を呼びかけている。
IETFにおけるIPv6の標準化について報告したNTT情報流通研究所の藤崎智宏氏によると、特にモバイル環境におけるDADの時間短縮化のため、より単純化されたプロセスが検討されている。DNSサーバ探索については、DHCPv6、RA、Well-known Addressの3案が並立している状況。また、トンネリングプロトコルを用いた移行メカニズムについては、新しいワーキンググループが設立される予定となっている。マルチホーミングの手法を議論してきたMulti6ワーキンググループは、アドレスの機能をIDとロケータに分け、この2つの間のマッピングを提供するShimレイヤをレイヤ3の下に追加する方法を採用、この方法は新規に設立されるワーキンググループで議論されていく。
アドレス割り振りに関しては、JPNICの穂坂俊之氏が、初期割り振りサイズの拡大傾向などに関して説明した。APNICの理事会では、すでに/32のIPv6アドレスを取得している事業者が、特に追加割り振りの条件を満たさずとも、現在のIPv4サービスの規模をベースに、より大きなブロックの割り当てを受けられるという新ポリシーを、2004年11月に承認した。実際にAPNICでは3つ、RIPE NCCでは6つの大規模割り当てが2005年1月までに行われた。JPNICでは、これまでIPv6アドレスに関し、APNICへの申請を取り次ぐ形で対応してきたが、2005年5月以降はJPNICでの承認を開始するという。
総務省LANのIPv6化も開始
日本政府としてのIPv6に関する取り組みについて、総務省のインターネット戦略企画室長、三吉卓也氏は、e-Japan戦略の成功に続き、日本が目指すのはユビキタスで使いやすい通信環境を実現するu-Japanであるとし、その中核技術の1つとしてIPv6が重要であると話した。2004年度はIPv6移行に関する実証実験などを実施しているほか、総務省におけるIPv6環境の構築も開始された。2月末時点では、モバイルPCからIPv6で庁内LANに対してアクセスし、庁内の電子メールや掲示板を利用できる環境が試験的に構築されている段階だ。
台湾では、2005年までにIPv6への移行メカニズム検討やネイティブなIPv6通信環境の構築が進められ、2006〜2007年に全国的なIPv6環境の構築を完了、IPv6対応の3G携帯電話や無線LAN製品の普及を促進するとしている。2007年までに600万ユーザをカバーするIPv6対応通信インフラの展開を目指したAdvanced Broadband Integrated e-service Networkプロジェクトが進行中であるほか、政府機関のためのサービスネットワークについても、2007までにはIPv4とIPv6のサポートを完了の予定という。台湾では、すでにほとんどの通信事業者がIPv6アドレスを取得しており、2事業者が試験的なサービスを開始している。また、実証実験として、IPv6対応のビデオオンデマンドサービスや、公衆マルチメディア電話設置などが行われているという。
タイでは、2005年2月にThailand IPv6 Forumが正式に設立された。現時点では商用サービスは提供されておらず、IPv6アドレスは4ブロック割り振られている。ただし、タイの大学間を結ぶUniNetでは、接続されている200の大学のうち、6校がデュアルスタックを動かし、10校がトンネリングでIPv6を利用しているという。
Asia Pacific IPv6 Summit
http://2005.apricot.net/ja/v6summit/
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