Internet Week 2007ワークショップレポート2 「第13回 JPNICオープンポリシーミーティング」

Internet Week 2007ワークショップレポート2 「第13回 JPNICオープンポリシーミーティング」

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 2007年11月19日から22日までの4日間、秋葉原コンベンションセンターで「Internet Week 2007」が行われた。ここでは、2日目となる20日の午後に行われ、多数の参加者を集めた「第13回 JPNICオープンポリシーミーティング」の模様をレポートする。
 設定時間は13:30~18:00の4時間半が確保されていたが、後半は時間が足りなくなって駆け足になるほど、盛りだくさんの内容が詰め込まれていた。

フォローアップ

 まず始めに、「前回までのフォローアップ」として、前回からの継続案件の状況報告や、最新情報の提供などがプレゼンテーション形式で行なわれた。内容は、

  • ・JPNICでのポリシー対応状況(奥谷 泉氏、JPNIC)
  • ・jp-users MLアーカイブ設置提案 その後の報告(中川 あきら氏、ポリシーWG/KDDI)
  • ・歴史的IPv4アドレス回収に関する状況報告(佐藤 香奈枝氏、JPNIC)

の3つだ。

 JPNICでのポリシー対応状況に関する報告では、「逆引きDNSのlame delegation改善に関する提案」「JPNICによるIPv6 PIにアドレスの分配について」の2項目に関して「サービス実施に向けて準備作業中」、「WHOIS登録ルールの変更提案」に対しては「前回以降進捗はない」という状況にあることが報告された。

 「jp-users MLアーカイブ設置提案」は前回の第12回で提案された事項で、jp-usersメーリングリストのアーカイブをWebで公開してはどうかという提案。これに対して「個人情報保護の面で難しいのでは」という意見があったこともあって前回は合意に至らず、その後継続して調整が続けられていた。弁護士の意見では、メーリングリストのアーカイブ公開に関して法的には問題ないという結論に至ったことが報告されたが、新たな問題として、アーカイブ公開には法的リスクを伴う可能性があることが分かったという。たとえば、誹謗中傷投稿があった場合、「放置すると名誉棄損で訴えられる」「削除すると言論の自由を侵害したとして訴えられる」という状況に陥ることが考えられるというものだ。このため、ポリシーワーキンググループは公開するかしないかの決定をJPNICに委ね、その決定に従うことになったことが報告された。結果報告は年内にも行なわれる予定だという。

 最後に、歴史的PI(Provider Independent)アドレスの回収に関しての状況報告が行なわれた。歴史的PIアドレスとは、現在のJPNICによるアドレス配布管理の体制が確立される以前のインターネット発展初期に配布されたIPアドレスで、当時はアドレスの枯渇を心配する状況にはなかったため、大量のアドレスを割り当ててしまっている等の問題がある。現在では利用主体が曖昧になってしまっている組織もあるため、担当者に連絡を取る努力を行なった上で可能であれば回収して新たに必要な分だけのIPアドレスを割り当て直すことで利用可能なIPv4アドレスを増やそうという取り組みだ。現時点では連絡がほぼ完了し、歴史的PIアドレスを持っている組織がほぼ特定できつつあるという状況にあることが報告された。

IPv4アドレス枯渇関連議論

 今回の中心的なテーマであり、最も活発な意見交換が行なわれたのが「IPv4アドレス枯渇関連議論」だ。内容は、

  • ・IPv4アドレス枯渇に関するポリシー動向のご紹介(奥谷 泉氏、JPNIC)
  • ・最後のAPNICアドレスプールの分配について(中村 秀治氏、IPv4アドレス枯渇問題検討ワーキンググループ1)

の2つに分かれた。まず、ポリシー動向の紹介では、提案が「枯渇期に向けたポリシー提案」と「枯渇後のアドレス管理における課題」の大きく2種類に分かれることが明示され、続く「最後のAPNICアドレスプールの分配について」が枯渇期に向けたポリシー提案であると位置づけられた。

 「最後のAPNICアドレスプールの分配について」は、最後に残った/8分のアドレスの分配についてのポリシー提案で、想定されるパターンとして

  • 「IPv4アドレスを一つも持たない事業者/ネットワークに限定する」
  • 「IPv4-IPv6トランスレーターへ限定する」
  • 「ホスティング/サーバ事業者へ限定する」
  • 「現行の基準に従って行なう(何も変更しない)」

の4つが示され、それぞれのメリット/デメリットが紹介された。IPv4アドレスが不足することで直接的に事業展開が阻害されるリスクがあると考えられる事業者を優遇するとか、今後新たにネットワークに接続するユーザーを優先するのか、あるいは公平性を重視して特別な優遇策は講じないのか、といった点が議論のテーマになった。さまざまな立場からさまざまな意見が表明されたが、会場からの声としては、優遇策を準備しても、ルールの裏をかいて本来は資格がないはずなのに優遇を受けようとする行為を阻止することは困難だし、ルールを厳格化しようとしても徒労に終わるだけ、という意見が目立った。最後に挙手による確認が行なわれたが、あえて言えば「何もしない」の支持が多かったか、という感じで、特に賛成を多数集めたパターンはなかったため、ここでは明確な結論は出さず、議論を継続する形で終わった。

新提案

 新たなポリシーの提案も行なわれた。「AP地域LIR共同利用IPv4アドレス空間の新設」で、提案者は新延 史郎氏(NTT)。これは、LIR(プロバイダなど)のみが利用できる新たなプライベートアドレス空間として/8×2を確保しようというもの。現在、ユーザーLANのレベルではプライベートアドレスの利用が一般化しているが、LIRとの接続にはグローバルアドレスの割り当てが必要になっている。そこで、LIR内のみで通用するプライベートアドレス空間を確保して、「ダブルNAT」を標準化することで必要なグローバルアドレス数をさらに減らせる、というのが趣旨となる。
 反対意見として、割り当て可能なIPアドレス数が/8×2という無視できない量減少してしまうという声や、LIRのみが利用することから「LIRだけを優遇するのは不公平では」という声もあったが、最終的な採決では賛成が圧倒的多数であり、次回のAPNICにて提案することが決まった。


新延 史郎氏(NTT)

 また、廣海 緑里氏(インテック・ネットコア)より「IPv6 name server 運用の問題と対策」ということで、
・レジストリはレジストラからIPv6ネームサーバのdelegationスキームを作る
・レジストラは、ユーザに対してIPv6のNSレコードや、AAAAレコードの登録のためのインターフェイスを設ける
・対応済みのレジストリ、レジストラ情報の公開
といった提案が行われた。これについては、JPNICで取りあげていくべきかどうかということも含めて、継続的に意見を求め、議論していくということになった。

今後について

 その後は駆け足で、「世界のポリシー関係状況アップデート」「各種活動紹介」などのプログラムが進められ、最後にコンセンサスなどを確認して、第13回JPNICオープンポリシーミーティングは終了した。
 今回コンセンサスに至った「AP地域LIR共同利用IPv4アドレス空間の新設」については、来年2月25日から台北で行われる第25回APNICオープンポリシーミーティングで、JPNICより提案される。

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