2006年12月からNTTがNGNフィールドテストを開始すると発表して以来、NGN関連の情報が大量に流れ始めた。なかでもITやネットワーク関連の事業者は、これを大きなビジネス環境の変化が始まったととらえて、大きく事業戦略の舵取りを変えるところも出てきた。NECもNGN時代の到来にあわせて、活発な動きを見せている事業者の一つだ。
NECは9月27日に、NGN関連のビジネスについての記者会見を行ない、今後3年間で約4,000億円の売り上げを見込んでいることを明らかにした。そのために製販一体に向けて社内体制の改革を目指して事業部の再編成を行ない、また需要の多様化、技術の複雑化にあわせて、部署間での技術者の相互乗り入れも行なっている。NGN時代に向けて、NECの準備はほぼ整いつつあるという。
NECの考える“NGN”
ではNECが考えているNGNとは、いったい何だろうか? 一般的にNGNというと、従来のATMベースの通信網に換わって導入される、すべてがパケットベース、IPベースとなったネットワークのことをいう。そして、そのための国際標準規格がITU-Tで策定されており、またその標準規格で採用される各種の新技術を利用した次世代の高機能・高性能ネットワークのことをさす場合もある。
従来ならば、携帯電話なら携帯電話事業者、データ通信ならISPなど、固定電話ならばNTTといったように、ネットワークの種類ごとに事業者がインフラからサービスまでを統合して提供する「垂直統合型」が一般的だった。しかしNGNでは、すべてがIPベースとなり共通のインフラを、すべてのサービスが必要に応じて利用する「水平統合型」になる。
しかし、NECが考えるNGNとは、ITU-Tの国際標準にと止まらず、企業、個人、社会のそれぞれへと提供する、インフラ、サービス、アプリケーションが融合したIT・ネットワーク融合ソリューションだ。
NGNで実現するサービス
国嶋矩彦執行役員常務は、NGNに期待されているものとして「標語でいえば『安心・安全』『便利・快適』であり、さらにブレイクダウンすれば、高信頼とか大容量、あるいは高セキュリティ、モビリティ、ハンドオーバー、オープンで柔軟、低コスト」といったものであるという。
この中でNECがねらっているNGN関連ビジネスは、ネットワークインフラを提供するキャリアと、サービスを提供するサービスプロバイダ、そしてそれらを利用する企業、個人、社会といったサービス利用者という3つの領域へと広がっている。
キャリアに対しては、ハードウェア、ソフトウェア製品の販売や、ネットワーク構築を提供する。サービスプロバイダには、サーバやストレージといったハードウェア製品の販売と、さらに大規模システムの構築を請け負いも増加すると見込んでいる。
これらの“NGN”ビジネスの具体例として、NTTドコモの携帯電話で採用された音声による複数間通話サービス「Push to Talk」や、日本テレビのVODサービス「第2日本テレビ」、そして事業者名は伏せられていたがモバイル向けのデジタル放送である「ワンセグ放送」のプラットフォームといったものが紹介された。






